外部講師・ボランティア
【Q】
外部講師・ボランティアの活用のポイントを教えてください
【A】
デイケアでは、通所者の疾患やその回復過程、年齢、性差などに対応させたさまざまなプログラムが行われています。デイケアごとにその用い方には違いがありますが、プログラムはほかの通所者やスタッフと活動を共にする体験を通じて、対人交流の促進、興味・関心の探索や拡大、体力の向上などを目的に取り入れています。
施設基準上、通所者に比べてかなり少ない人数のスタッフで開催が可能なデイケアにおいて、多様化傾向になる通所者のニーズに適応させた個別援助と並行しながらプログラムの充実を図り、そのバリエーションを増やしていくことには、多くの工夫を要するところです。そこで、近頃ではスタッフの他にプログラム担当者を採用しているデイケアが多くなってきました。多くのデイケアは、活動計画として週間または月間予定表を作成していますが、そのなかにスタッフ以外が担当するプログラムを取り入れることで、同時開催が可能なプログラム数の増加を図っています。
プログラム担当者に対して、スタッフに準じる責任をもった役割への期待から、「外部講師」という名称を用いて、賃金の支払いを行う雇用関係を結んだり、採用にあたっては面接を行って、守秘義務などの個人情報の管理及び取扱い、デイケアプログラムの治療的意義などをについて、口頭や書面で説明を行う場合があります。
またボランティアはその導入を通じて医療機関の地域への開放、さらに地域の人に病気の理解をしていただく機会として効果的に用いることができます。
デイケアプログラムの運営にあわせた形態で行う外部講師やボランティアの活用は、デイケアプログラムの充実をはかる一助として大いに期待ができます。
出典:日本デイケア学会編『精神科デイケアQ&A』中央法規出版、2005.