デイケアプログラム(文集づくり・新聞づくり)
2011年06月27日 09:00
【Q】
文集づくり・新聞づくりのポイントを教えてください
【A】
デイケアで文集・新聞をつくるコツは、あまり無理をしすぎないこと、そしてできるだけ多くの通所者・スタッフがかかわれる工夫をすることだと思います。また、人に見てもらうことを常に意識することも大事です。
文集づくりには時間と手間がかかります。発行することだけが目的とならないよう、無理のないペースで続けていけるとよいでしょう。そうすれば、毎日のプログラムに追われがちなデイケアにあって、日々の活動を振り返ったり、歴史をひもといたりするための、ささやかなツールになることと思います。
文章を書きたい人、絵が好きな人、パソコンが得意な人、また単純作業ならかかわれる人と通所者の個性はさまざまです。スタッフだけが編集しているケースがもありますが、通所者がかかわれる作業は案外たくさんあるものです。
文集・新聞は、基本的に通所者が自由に自己表現できる場なのですが、それだけに問題も起こります。例えば、躁的に大量の作品をつくり続ける通所者がいた場合、創作活動が病状の悪化のきっかけになることもありますので、注意が必要です。このようなときは、作品数を絞りこんだり、活字にしたりすると、とても印象的な作品になることがあります。
また、グループや個人への攻撃、倫理的に問題のある内容など、これはちょっと……と思う表現が出てくることもあります。どうしても訂正が不能な場合は、スタッフがNGを出す勇気も必要です。
出典:日本デイケア学会編『精神科デイケアQ&A』中央法規出版、2005.