「質問力」の磨き方(5)
2011年06月10日 09:10
【Q】
利用者や家族から的確に情報を得るために「質問をする力」を高めたいと思っています。どのようなトレーニングをすればよいでしょうか?
【A】
対人援助職者にとって「質問をする力(質問力)」を身につけることは、仕事の質を高めていく上で欠かすことができない要素です。
質問力に磨きをかける第5の方法は「自問自答で質問を磨く」ことです。いかなる作業にも「段取り」があるように、質問にも「順序・順番」があり、道具立てがあります。それらを準備する過程で必ず必要になる作業が「自問自答」です。自問自答で質問個々の必要性とその重みを実感し、質問フレーズの吟味と磨き込みを行います。
(1)「何を質問するか」を自問自答する
例「どの順番で尋ねていけば、抵抗感なく答えやすいだろうか?」
例「話している言葉の奥にどのような本音があるのだろうか?」
(2)「なぜ質問するのか」を自問自答する
例「私はこの質問で何を明らかにしたいのだろうか?」
例「この質問のしかたは利用者の隠しておきたい心の傷にふれることにならないだろうか?」
(3)「どのように質問するのか」を自問自答する
例「A→B→CとC→B→Aとどちらの順番がよいだろうか?」
例「この質問はどのような環境なら答えていただけるだろうか?」
(4)「どのような準備をするのか」を自問自答する
利用者・家族と会う前に、以下の3つの段取りを踏んでおくと、自信をもって面接に臨むことができると思います。
1.質問のフレーズをノートに書き出す
2.フレーズを声に出して読み上げる
3.フレーズを自らに「自問」し、「自答」(回答)してみる
出典:高室成幸著『ケアマネジャーの質問力』中央法規出版、2009年