「質問力」の磨き方(2)
2011年06月07日 09:40
【Q】
利用者や家族から的確に情報を得るために「質問をする力」を高めたいと思っています。どのようなトレーニングをすればよいでしょうか?
【A】
対人援助職者にとって「質問をする力(質問力)」を身につけることは、仕事の質を高めていく上で欠かすことができない要素です。
質問力に磨きをかける第2の方法は「専門知識・一般教養を身につける」ことです。質問の恐いところは、質問の内容が質問者の知識・教養などを知らず知らずのうちに語ってしまうところです。社会人としての知識・教養を深めることは、質問力の向上に直結します。
(1)大正・昭和・平成史の知識をもつ
利用者・家族の生活歴を理解するうえで、その背景にある時代史を知っているのは大きな強みになります。
例「太平洋戦争では、どちらの方面に出征されていたのですか?」
例「大阪万博のときはご家族で見に行かれたのですか?」
(2)地域の昭和史を尋ねる
地域の歴史は『市制・町制50年史』といったかたちでまとめられ、市町村の図書館などに納められています。身近な地域で起こった出来事について知識を深めると、利用者・家族の親近感が一気に増すことがあります。
例「○○水害の時は、この町の被害はどれほどだったのですか?」
例「300年の由緒ある○○大祭には、氏子としておいくつからかかわっていらしたのですか?」
(3)社会的常識で質問力を磨く
仕事の場面では、ついつい専門用語を使ってしまいがちです。社会的常識・通念に照らしてわかりやすい言葉に言い換えることで、質問力がアップします。
例「○○の用語をわかりやすくたとえると……と考えていただいてもけっこうです」
出典:高室成幸著『ケアマネジャーの質問力』中央法規出版、2009年