デイケアプログラム(ゲームプログラム)
2011年06月03日 09:00
【Q】
ゲームプログラムのもち方はどうすればよいのでしょうか?
【A】
遊戯・楽しみ・戯れがゲームの原義といわれます。単なる気晴らしのための「遊び」とは違い、ルールのある遊び、娯楽、遊戯です。
デイケアで行われるゲームといえば、将棋、囲碁、麻雀、チェス、オセロ、トランプ、ボードゲームなどがその代表といえます。なかには、テレビ番組をまねた遊戯やクイズなどを取り入れ、チーム対抗で行われることもあります。いずれも競争や勝ち負け、駆け引きが生じ、喜びや悔しさ、緊張や笑いを与えてくれます。ゲームを媒介として同じ時間と場所を共有し、感情を表出しあうという意味では、対人関係の基本的要素があるといえます。
通所者にとってのゲームプログラムを考えると、(1)得意なまたは好きなことをすることで自分の居場所を見出すことができる、(2)ゲーム参加者と自然なかたちで交流をもちやすくなる、(3)得意なゲームでは能力を発揮でき、他者からのほめ言葉や優越感を得ることができる、(4)自然なかたちで喜怒哀楽といった感情を出しやすいプログラムといえるでしょう。
ただ、デイケア通所者個々の好きな得意なゲームをいくつもプログラムとして設定するには、時間や場所、グループ人数など無理が生じることもあります。通所者の意見などを踏まえて曜日や時間を決めるなど、また、昼休みを利用するなど、時間外プログラムを含めての柔軟な運用が必要です。
出典:日本デイケア学会編『精神科デイケアQ&A』中央法規出版、2005.