デイケアプログラム(料理教室)
【Q】
料理教室実施のポイントはなんでしょうか?
【A】
料理プログラムには毎回多くの通所者が参加します。通所者にもっとも人気のあるプログラムの一つといえるでしょう。その人気の理由はなんでしょうか。やはり、つくったものが食べられるということを一番の楽しみにしている通所者が多いようです。また、食べる楽しみもさることながら、自分たちでやったことの結果がわかりやすいということも、か活動に参加する通所者にとっては、手ごたえがあっておもしろく感じられるのではないでしょうか。さらに、調理作業を介してのコミュニケーションは人付き合いの苦手な通所者にとって負担が少なく、他の人と無理なくかかわりをもつことができます。たとえば同じ作業を並んでやっているだけでもいいし、手元に何かやることがあるとポツリポツリとした通所者同士の不器用な会話も何となくいい雰囲気で成立するのです。
せっかく料理をつくるのですから、おいしくつくりましょう。料理プログラムの料理を失敗せずおいしくつくるコツの一つは、大勢の料理をつくるときの方法でつくることです。たとえば下ごしらえをするにしても、切って火を通すにしても、量に見合ったやり方があるのです。時には料理の本の通りにつくってもうまくいかないこともあります。自分たちのグループの人数の料理をつくるときはどんなやり方が向いているのかをよく考えることが必要です。
そしてもう一つ、とっておきのコツは、いい調味料を使うことです。特に、味噌、酢、だしは通常よりほんの少しよいものを使うだけで、料理初心者の通所者がつくってもおいしく仕上がるのです。これはぜひ試してみてほしいと思います。自分でつくったものがおいしくできて、他の人からも「おいしい」と言ってもらえる体験は、通所者の「またやってみよう」という自信につながることもあるのです。
出典:日本デイケア学会編『精神科デイケアQ&A』中央法規出版、2005.