要介護者と生活保護(3)
2011年05月25日 09:40
【Q】
生活保護の介護扶助はどういった仕組みなのか?
【A】
介護保険の保険料が払えずに生活保護の介護扶助を申請する場合、居宅介護支援計画の写しを申請書と一緒に福祉事務所に提出する必要があります。福祉事務所では、ケアプランの内容の確認を行い、利用者の1月分の費用のうちの自己負担分の額を算定します。この額が高額介護サービス費の第一段階の限度額を超える場合には、その自己負担限度額に生活扶助、住宅扶助、医療扶助などを合算して算出した1か月分の生活保護基準額と収入とを照らし合わせて、生活保護の介護扶助の適応となるか否かを判定します。利用者の収入がこの1月の基準額を超えない場合に要保護となり、介護扶助の適用となります。
さて、ここで見落としてはならないこととして、ケアマネジャーにプランを作成してもらう際に、実際にサービスを提供する各事業者が、介護保険法の指定事業者であることは当然として、あわせて生活保護法の指定介護機関である必要があります。これは、ケアプランを提出する際に確認されることですので、予定している事業者がその対象であることを確認しておく必要があります。また、訪問・通所区分支給限度基準額が要介護状態区分の区分支給限度基準額と同額であり、区分支給限度基準額を超えているサービスがないことも必要です。ケアプランを提出する際には、こうしたことを踏まえておきます。
なお、こうした一連の手続きや今後の保護の状況などから、生活保護のケースワーカーとの調整が必要な場面も増えてきますので、介護支援に関わる方は相互の連携を心がけていくことが大切です。
【参考書籍】
『ケアマネ業務のための生活保護 Q&A』六波羅詩朗著、中央法規出版