排尿障害の検査
【Q】
排尿障害の検査方法・手段について教えてください。
【A】
診察ではまず、その人の訴えの内容や排尿パターン、検尿、残尿の有無から、およその障害の種類と程度を把握します。排尿パターンは排尿日誌があると把握しやすいです。残尿は超音波検査で行うことが多く、苦痛をともなわず簡単にできます。症状が軽ければ、これらの検査所見をもとに治療を始めることができます。
排尿日誌(排尿記録)
排尿日誌は、排尿した時間と量、排尿症状(失禁、排尿困難など)、水分摂取の時間と量を記録します。これらは、排尿障害の種類を診断するために大切な基本情報です。
ほかの病気の有無や治療の内容を合わせると、さらに参考になり、原因を調べるために必要な検査を絞り込むことができます。また、疑われる排尿障害に応じてつくられた質問表もあります。
尿検査
尿検査では、感染や血尿の有無などを確認します。
残尿測定
残尿があると、結石の形成や感染症の誘発、腎機能障害などの元となるので、排尿障害がある場合、残尿の確認は必ず行います。排尿直後の膀胱内に残っている尿量を残尿として測定しますが、カテーテルを入れて測定したり、超音波の画像から計算する方法もあります。超音波を用いた機械には、小型で軽量の残尿測定専門器もあります。
さらに詳しい検査
検査の後、治療がうまくいかなかったり、症状がひどい場合、症状の原因となる別の病気が潜んでいる可能性がある場合などは、画像検査や排尿機能検査を追加することがあります。
画像検査…排尿にかかわる腎臓、膀胱、尿道などの形を評価するために、超音波断層法、尿路造影、CT、MRIが用いられます。画像検査により、排尿に影響をおよぼす原因を探ることができます。
排尿機能の検査…尿意を感じ、尿を我慢し、自分の意思で排尿するという排尿機能を測定する検査です。膀胱へ留置したカテーテルを通じて、炭酸ガスや生理食塩水を注入しながら、尿意や膀胱の中の圧力変化、括約筋の筋電図を測定します。
出典:浜田きよ子編『自立を促す排泄ケア・排泄用具活用術』中央法規出版、2010年