面接でのアセスメントのしかた(6)
【Q】
面接を通じて利用者のことを深く理解したいと思うのですが、うまく質問することができません。面接でのアセスメントのしかたについてヒントを教えてください。
【A】
対人援助職者にとって「質問をする力(質問力)」を身につけることは、仕事の質を高めていく上で欠かすことができない要素です。4月11日~15日分に続き、今回から5回にわたって高室成幸氏(ケアタウン総合研究所)の著書『ケアマネジャーの質問力』からアセスメントを深めるヒントをご紹介します。
第6回目は「人間関係」の聞き方についてです。
私たちはさまざまな人との関わりのなかで暮らしています。高齢となった利用者もつきあいは疎遠になっているかもしれませんが、年賀状や電話でのやりとりは続いていたりします。なにより心の中で息づいている「その人々」を質問力で甦らせてみましょう。
(1)生育歴における人間関係
・生活共同体としての人間関係
例「戦前はこの集落ではどのような支え合いがあったのですか?」
・近郊都市部の人間関係
例「いつ頃から、どのようなきっかけでこの地域に住まわれることになったのですか?」
・小学校・中学校・高校・大学・県人会の人間関係
例「同窓会(県人会)には、どのような顔ぶれの人が集まりますか?」
(2)職場や仕事における人間関係
・役職別の人間関係
例「尊敬される上司にはどのような方がいらっしゃいましたか?」
・勤務先別の人間関係
例「転職先で人間関係をつくるには、どのようなご苦労がありましたか?」
(3)地場産業、町内会、地域活動における人間関係
・ヨコのつながりの人間関係
例「婦人会の中では、どのような役職をされたことがありますか?」
・町内会、檀家、氏子、地域活動などの人間関係
例「町内会で特に親しくされているのはどなたですか?」
出典:高室成幸著『ケアマネジャーの質問力』中央法規出版、2009年