面接でのアセスメントのしかた(10)
【Q】
面接を通じて利用者のことを深く理解したいと思うのですが、うまく質問することができません。面接でのアセスメントのしかたについてヒントを教えてください。
【A】
対人援助職者にとって「質問をする力(質問力)」を身につけることは、仕事の質を高めていく上で欠かすことができない要素です。
今回は「疾患歴・治療歴」について考えていきます。
要介護高齢者となった方はなんらかの治療や処方を継続して受けています。心身の機能低下や季節の変化等が症状や暮らし方に影響を及ぼすこともあります。疾患・障害を本人(家族)がどのくらい認識し、その症状が「暮らし」にどのように影響を及ぼしているのかを具体的にアセスメントしましょう。
(1)疾患に対する理解度
・医師の説明についての理解度
例「お医者さんから病気のことはどのように聞かれていますか?」
・疾患や障害の受容度
例「今の状態をどのように受けとめていらっしゃいますか?」
・認知症に関する知識の正確さ
例「認知症とわかったとき、どのようなお気持ちでしたか?」
(2)病歴・治療歴で起こる「見落とし」を防ぐ
・過去の出来事や家族・親族について
例「その病気をされたときにお孫さんはおいくつでしたか?」
・かかりつけ医、薬袋などについて
例「眼科や歯医者さんなど、他にかかっていらっしゃるお医者さんはいくつありますか?」
・通院・治療を月単位で質問する
例「ひと月の間にお医者さんにどれくらい通院しておられますか?」
(3)終末期における「逝き方」について
・意向の確認(家族に対して)
例「ご本人と最後についてお話しされたことはありますか?」
例「ご本人はどこまでの治療を望んでおられましたか?」
出典:高室成幸著『ケアマネジャーの質問力』中央法規出版、2009年