面接でのアセスメントのしかた(1)
【Q】
面接を通じて利用者のことを深く理解したいと思うのですが、うまく質問することができません。面接でのアセスメントのしかたについてヒントを教えてください。
【A】
対人援助職者にとって「質問をする力(質問力)」を身につけることは、仕事の質を高めていく上で欠かすことができない要素です。今回から数回にわたって、高室成幸氏(ケアタウン総合研究所)の著書『ケアマネジャーの質問力』からアセスメントを深めるヒントをご紹介します。
第1回目は「生活歴」の聞き方についてです。
人にはさまざまな人生の軌跡があります。現在に至るまでに生きてきた人生の道のりが、人それぞれの「人となり」を形作っています。生活歴を尋ねるということは、利用者の「地続きの人生」の森に分け入ることです。
(1)「生活歴」から「暮らし」を浮き彫りにする
・「生まれ(出身地)」を質問する
例「どちらのご出身(お生まれ)ですか?」
・「生活習慣」を質問する
例「子どもの頃、家ではどのようなものを食べていましたか?」(食習慣)
(2)人生の6ステージ
生活歴には、おおよそ6つのステージがあるとみなすことができます。その時期ごとの出来事を知ることで、「現在」をより深く理解することができます。
・幼少期(0歳~12歳以下)
例「小さい頃はどのようなお子さんだと近所では言われていましたか?」
・思春期(13歳~18歳以下)
例「10代はどのような勉強や運動に熱中されていましたか?」
・青春期(19歳~30歳未満)
例「戦地から戻られて、どのような仕事に就かれたのですか?」
・中年期(30歳~40歳未満)
例「当時を思い出すと子育てでどのようなご苦労がありましたか?」
・壮年期(40歳~60歳未満)
例「ご家族の思い出ではどのようなことが印象に強く残っていますか?」
・高齢期(60歳~現在)
例「定年退職以降はどのような暮らし方をされてきましたか?」
出典:高室成幸著『ケアマネジャーの質問力』中央法規出版、2009年