重度認知症患者デイケアのプログラム
2011年04月07日 09:20
【Q】
重度認知症患者デイケアのプログラムのもち方はどうすればよいのでしょうか?
【A】
重度認知症デイケアは、精神症状のある認知症の改善を目指すことが目的です。人員基準は医師、作業療法士、看護師、精神保健福祉士等、各1名ですが、他に運転手、介護職も定員外で複数名使用です。4~6時間を1単位としてプログラムを行います。
認知症の注意力・集中力の持続時間は約1時間とされています。例えば、6時間のプログラムであれば、(1)導入・挨拶・体操、(2)午前のプログラム、(3)食事、(4)午後のプログラム、(5)お茶の時間、(6)かたづけ・クールダウンとそれぞれ1時間ずつ割り振ります。プログラムが単調だとすぐに飽きてしまい、「家に帰る」と言い出すこともしばしばです。ゲームや集団レクリエーションのようにリズムが早く刺激を与える活動と、会話や音楽鑑賞のようなゆったりとし興奮を落ち着ける活動を組み合わせることが、注意力を維持するうえでポイントとなります。
プログラムを進める上での注意点は、通所者の多くが人生の先輩であるということです。その姿勢があれば、プログラムの経験が浅くてもかえってその場がほのぼのとします。時に精神症状が増悪し、通所者の訴えが多くなることがあります。その場合、臨機応変・柔軟な対応が必要で、計画していた内容にこだわらず、プログラムを思い切って変更することが求められます。
出典:日本デイケア学会編『精神科デイケアQ&A』中央法規出版、2005.