ナイトケアのプログラム
【Q】
ナイトケアでのプログラムのもち方はどうすればよいのでしょうか?
【A】
ナイトケアは、通所者の地域生活を支える場の1つで、夕方の4時から8時までと定められていて、精神科病院やクリニックで行われています。通所する理由としては、退院して夕方から夜間にかけての過ごし方が不安、自炊生活ができない、朝の起床が苦手で日中のデイケア利用が難しい、また、就労をしたり共同作業所、保健所などのデイケアに通っているひとが夕方からの過ごし方で困っているなどが挙げられ、治療的には生活リズムを整えながら病状の安定を図り、必要なケアを提供することにあります。
ナイトケアのプログラムを考えるうえで大切なことは、デイケアと同様に通所者のニーズや日中の生活の仕方、抱えている問題・課題を把握しておくことです。また、全体の年齢層や男女差、疾病や障害の程度などを考慮することも必要です。活動性が高いのいか、中高年者が多いのか、単身者が多いのかによって、プログラムは違ってきます。
上記の利用の仕方を考えると、多くの通所者が日中はある程度の活動を行いエネルギーを使っています。ナイトケアの時間帯は日中の活動性を緩やかに低下させながら、帰宅してからの睡眠がとりやすいように生活リズムをつくるという側面があります。したがって、ナイトケアでは綿密なプログラムを組むというより、4時間という時間がゆったりと流れ、くつろげる場づくりが必要になります。
1つの施設でデイケアもナイトケアも利用するデイナイトケアがありますが、施設依存を高めないようにしたいものです。毎日利用している通所者は生活そのものの場になってしまい、例えば、年末年始やゴールデンウィークなどの長期に休みがある時期に調子を崩したり病状が悪化したりする人も出てきます。日中は他のデイケアや共同作業所などを利用できれば、生活範囲も人とのつながりも広まっていくでしょう。
出典:日本デイケア学会編『精神科デイケアQ&A』中央法規出版、2005.