震災で改めてみる社会保障関係費(3)
2011年03月30日 09:00
【Q】
社会保障における給付費の総額はどのくらい?
【A】
社会保障給付費とは、医療、年金、福祉、労災保険、雇用保険などの公的な制度のもとで行われれる保障の総額です。2008(平成20)年度でみると、94兆848億円となっており、このシリーズの1回目でみた国家予算の規模を超えています。これだけの数字を扱うのですから、その運用には特段の注意が必要です。特に近年は高齢化の進行で、年金、医療、福祉関係費の伸びが著しく、国民所得の実に26.8%にも上っています。逆に捉えると、現代の生活は、社会保障がないと成り立たないまでになっているとも言えます。
この額は、国民一人当たりに換算すると73万6800円になるとのこと。最も大きいのは年金で、全体の半分52.7%を占めていて、次いで医療費が31.5%(29兆6117億円)となっています。近年は介護費も増大してきており、社会保障給付費をどのように捉えていくかが、これからの国の運営には欠かせない視点となっています。
【参考資料】
「社会保障入門2011」、平成23年2月15日発行、中央法規出版、定価本体2400円