面接での具体的な質問のしかたについて(2)
2011年03月15日 10:50
【Q】
利用者と面接をしているなかで、的確に情報を収集できていないと感じることがあります。必要な情報を得るための具体的なヒントを教えてください。
【A】
対人援助職者にとって「質問をする力(質問力)」を身につけることは、仕事の質を高めていく上で欠かすことができない要素です。今回は「Where」について考えていきます。
私たちは「場所」という環境に応じて、さまざまな特徴的な行動をとります。場所を特定すると、なぜそこに行ったのか、その理由や目的が浮き彫りになります。
1.話題となっている「場所」を質問する
アセスメントにおいては、本人や家族が話している話題の「場所」を必ず特定することが大切です。
・ADL(日常生活動作)、IADL(手段的日常生活動作)
・Wish(願い、望み:お出かけ、趣味、人間関係、暮らし、仕事など)
例「どうしてもお出かけしたいところはありますか?」
・仕事の場所(仕事場:畑、田んぼ、山林、港湾、職場)
2.「環境」を質問する
育った場所や現在の生活環境は本人の「価値観」に影響を及ぼします。また、ADLやIADLは現在の住居やその周辺で行われるものであり、自立した暮らしの可能性や今後予想されるリスクを把握するうえでも、「環境」を知ることは大切です。
・生活環境(農村部、山間部、中心市街地、商店街、工場地域など)
・育った環境(出身県、出身市町村)
例「○○県生まれを実感されることはありますか?」
・市町村(昭和の大合併、平成の大合併前の旧市町村の特徴等)
出典:高室成幸著『ケアマネジャーの質問力』中央法規出版、2009年