面接での具体的な質問のしかたについて(1)
【Q】
利用者と面接をしているなかで、的確に情報を収集できていないと感じることがあります。必要な情報を得るための具体的なヒントを教えてください。
【A】
対人援助職者にとって「質問をする力(質問力)」を身につけることは、仕事の質を高めていく上で欠かすことができない要素です。今回から数回にわたって、高室成幸氏(ケアタウン総合研究所)が提唱する「6W1H+1R」からいくつかをご紹介します(6W1H+1Rとは、When、Where、Who、What、Why、Wish 、How、Resultの頭文字をとったものです)。
第1回目は「When」を取り上げます。
会話をしていて私たちが混乱するのは、相手が「いつのこと」を話しているのかわからないときです。「いつのこと」なのかを明らかにするためには、「人生の時期」「日単位、週単位、月単位、年単位」「期間」について尋ねることが有効です。
1.人生の時期
・幼少期~思春期
例「ご両親は厳しい方でしたか?」
・20代~30代
例「どのような仕事で働かれてきましたか?」
・40代~50代
例「40代、会社ではどのような役職をされていましたか?」
・60代~70代
例「仕事でのおつきあいはいまでも続いていますか?」
2.日単位、週単位、月単位、年単位
・1日単位
1日の生活リズム(起床、整容、散歩、掃除、食事、外出、入浴、テレビ、就寝など)がいつ行われているのかを「数字(何時)」で把握します。
・週単位
1週間の生活リズム(テレビ番組、外出、通院等)を把握します。
・月単位
月ごとの行事や月単位の通院、買い物などの基本スケジュールを把握します。
・年単位
四季の行事(正月、花見、お盆、彼岸等)や家族の誕生日・命日などの記念日、欠かさず参加している地域の行事などを把握することで、年間を通した生活リズムをつかむことができます。
3.期間(いつからいつまで)
困っている状態がいつから始まったのかを把握することで、より深く現状をアセスメントすることができます。
例「いつ頃からトイレに行くのがつらくなりましたか?」
出典:高室成幸著『ケアマネジャーの質問力』中央法規出版、2009年