介護保険制度の改正と保険料の行方(2)
2011年02月01日 09:50
【Q】
介護保険の1号保険料はどうなるの?(その2)
【A】
そもそも保険制度は、誰もがそうした事態に陥る可能性があるため、その際にかかる多大なリスクを分散させる仕組みとして考案されたものです。医療保険の場合、生まれてこの方一度も医師の診療を受けたことのない人はいないと思いますので、保険制度の恩恵には誰もが与っています。しかし介護保険の場合、要介護の状態には誰もが陥る危険性はあるとはいっても、実際のところ高齢者の3分の2は、介護サービス利用に至らずに生きています。そこで、結果として保険料の掛け捨てとなる被保険者を多く生み出すことになる改定はしにくくなりますので、介護保険財政や保険料の上昇を抑えるとの見地から、要支援者を介護保険から切り離すといった考え方は、とりにくくなります。そこで予防給付を残しながら、支給内容を絞るとの意見も出てきています。
(参考文献:堤修三「介護保険の意味論」中央法規出版2010)