面接が上手になるには?(3)
2011年02月17日 10:00
【Q】
利用者との面接がなかなか上手になりません。面接の基礎から教えてください。
【A】
引き続き「相談面接技法」を紹介します。今回は「感情に注目した技法」です。
1.感情の表出を促す
利用者が感情を表に出すことができるように支援する技法です。人は信頼できる他者に対して自分の感情を伝え、そしてそれを受けとめてもらえれば、それだけで感情をコントロールできることがあります。
ただ、日本の文化では感情を表に出すのはあまりよいこととは考えられていません。そこで、利用者に対してこの技法を使う場合、まず(1)何があったのかや、何をしたのかといった「経験」を聞く、(2)それについてどう考えるかの「思考」について質問する、そして最後に(3)その時どのように感じたかといった「感情」を尋ねる、という段階を踏むことが有効でしょう。
2.共感する
利用者が言語や非言語コミュニケーションによって自分の感情を示したら、それに言語や非言語コミュニケーションで応じるのが共感です。的確に共感するためには、他者の感情の変化に気づくこまやかな観察力と豊富な感情表現用語が必要です。
この技法は、利用者自身が気づいていなかった感情をも利用者が自覚し、問題を深く理解することに役立ちます。それと同時に、的確な共感は、「あ、この人は私のことをわかってくれる」という感覚を利用者にもたらします。このような利用者と援助者との関係性は、問題解決への原動力になるはずです。
出典:高良麻子著『ケアマネジャー実践力向上ワークブック 基礎編』中央法規出版、2008年