面接が上手になるには?(1)
【Q】
利用者との面接がなかなか上手になりません。面接の基礎から教えてください。
【A】
専門職が行う面接とは、「目的をもって行う専門的コミュニケーション」です。特に相談援助職が行う面接の目的は、(1)利用者や家族と援助関係を構築すること、(2)利用者の問題や意向に関する情報を収集すること、(3)問題解決への援助を行うこと、ということができます。
そして、これらの目的を達成するためには、「相談面接技法」を効果的に活用する必要があります。以下、何回かにわたり、相談面接技法を解説していきたいと思います。
今回は「話を聴き理解を共有する技法」を紹介します。
1.あいづちをうつ
「はい」「ええ」「うん」「はあ」「なるほど」「そうですか」「それで」などのあいづちは、利用者や家族に話を聴いていることを伝えます。
2.繰り返す
オウムのように、利用者が話した言葉をそのまま繰り返します。特に、文章の最後の言葉や最も重要だと考えられる言葉を繰り返します。
3.励ます
面接の途中で利用者が話をやめる場合があります。なぜ利用者が話を中止したのか、それまでの話の内容などから理由を推測します。その上で、「思った通りに話してください」「ゆっくりと時間をとってお話になってください」と、利用者のペースで話ができるように促します。利用者が話をするのが苦痛なようであれば、何も言わず「沈黙」を共有した上で、様子を見ながら励ましを活用します。
4.言い換える
利用者が伝えようとしている体験や考えを理解し、援助者自身の言葉で言い換えます。援助者自身の言葉で伝えることによって、利用者が伝えようとしていた情報を正しく理解しているかどうかを確認できます。また、異なっていた場合には修正することができます。
5.要約する
利用者が話してきた内容について、簡潔にまとめます。話の区切りをつけるだけでなく、お互いの理解が共通であるかどうかを確認することができます。要約する際には、利用者が話した中心的問題に注目しましょう。
出典:高良麻子著『ケアマネジャー実践力向上ワークブック 基礎編』中央法規出版、2008年