認知症の予防
2011年01月27日 09:20
【Q】
認知症を予防するためには、日頃からどのようなことに気をつけていればよいのでしょうか。
【A】
認知症の原因疾患で頻度が高いものは、アルツハイマー型認知症と脳血管障害です。したがって認知症にならないためには、この二大疾患を予防することが必要になります。脳血管障害にならないためには、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を予防することが大切ですが、最近こうした生活習慣病が、アルツハイマー型認知症の発病を早めることがわかってきました。その意味で、生活習慣病を予防することで、アルツハイマー型認知症の発病を先送りできる可能性があると思われます。
日頃から注意したいのは高血圧です。高血圧は生活習慣病の前兆と考え、かかりつけ医師に相談して早く発見し、適切な対応をしておくことが大切です。
脳の神経細胞というのは、歳をとってからも発達します。減ってしまった神経細胞を増やすことは困難ですが、残っている神経細胞の枝葉を豊富にすることはできます。それには、頭を使うことを習慣にするのがよいでしょう。ただ、週刊誌やテレビを漫然と眺めるのは、頭を使った状態とはいえません。少し硬めの本を読まないと、頭を働かせることにはなりません。
もっもよいのは書くことです。マメにハガキや手紙を書いたり、日記をつけたりすることです。特に日記は、1日を振り返って記憶をたどることになりますから、頭の体操にもなります。頭の中で考えをまとめて表現するという点で、俳句や短歌を詠んだり、絵を描いたりなどの趣味をもつのもよいと思われます。
出典:長谷川和夫『認知症の知りたいことガイドブック』中央法規出版、2006年