企業活動と福祉
2011年01月07日 09:00
【Q】
今日、介護サービスに代表されるように市場の企業活動によって、対人援助を担わせる道が登場しました。しかし営利企業がどこまで本質的な援助を展開できるのか、疑問に感じるときがあります。
【A】
「今日、一般の企業活動ですら、モラル抜きの“新自由主義”路線ではすべてがうまくいかないことも明らかになっています。ましてやケア・サービスという「人」を相手にした職種では、単に対価と表現されるレベルで終わらないものが確実にある」と認識されるようになってきました。そこでは、企業に属するケアワーカーにも人格としての前提が問われるようになってきています。
今日の福祉は、国が主体となって福祉を展開してきた従来のあり方から、市民が主体となって福祉を展開していく時代へと流れが変わってきています。市民の活動には企業活動も含まれます。企業も個々の市民が形成しているのですから、市民の人格が企業活動にも反映される、そうした仕組みを培っていくことが求められているのではないでしょうか。
参照:阿部志郎・前川喜平編著「ヒューマンサービスの構築に向けて」中央法規出版