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福祉マイスターへの道 毎日更新

摂食障害

【Q】
 摂食障害について教えてください。

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【A】
 摂食障害は、その発症が圧倒的に思春期の女性に多いという特徴を持つ疾患です。DSM‐Ⅳ‐TRでは、神経性無食欲症と神経性大食症に区分してそれぞれの診断基準を示していますが、前者(拒食症)も後者(過食症)も同じ病態の表と裏、または、1つの病気の進行の諸相に過ぎないというとらえ方もあります。実際、最初は拒食でスタートしてその後に過食に転じる人、拒食と過食を繰り返す人が少なくありません。もちろん、終始拒食だけという人や、過食だけの人もおり、病型はさまざまです。
 発症は、学童期や思春期のダイエットがきっかけとなること多いです。ダイエットが昂じて、当初期待していた体重まで減量してもさらにダイエットを続けたり、その結果、成長期の生理的欲求(食欲)ゆえに過食に転じ(リバウンドし)、それでもダイエットを繰り返すうちに普通の食生活ができなくなります。痩せていることに絶対的な価値を置くようになり、痩せていない自分を許せなくなるのです。自分が理想とする体型を実現するための食行動を強迫的に維持し、次第に食べることが生活の一番の関心事になってきます。それは本人の心や身体ばかりではなく、家族を含む人間関係や学業、キャリアアップにも悪影響を及ぼしていくのです。しかし、なかには拒食や過食という摂食パターンを続けながらも、生活や人生を破綻させるまでにはいかず、それなりにバランスを保っているケースもあります。

出典:松下年子・吉岡幸子・小倉邦子編『事例から学ぶ アディクション・ナーシング―依存症・虐待・摂食障害などがある人への看護ケア』中央法規出版、2009年


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