実習プログラミング力とは
【Q】
実習指導者として、実習のどの時期に何を行うかを決め、進めていくことが大切なことは理解できます。このような実習プログラムを組むうえで、どのような点に注意すればよいでしょうか。
【A】
社会福祉士養成のための相談援助実習であるために、実習の組み立てについては以下のような3段階モデルが提唱されています。実習のプログラムは原則としてこれらに則ることが望ましいことになります。
(1)「職場実習」およそ1週目…職場の構造(しくみ)と機能(働き)を全体的に理解することを目指す。
(2)「職種実習」およそ2週目…職場における実習指導者の職種の位置づけと業務内容を全般的に理解することを目指す。
(3)「ソーシャルワーク実習」およそ3週目以降…現場におけるソーシャルワーク実践の実態を理解し、実習生自らがソーシャルワーク実践を試行することを目指す。
実習指導者にはこれら3段階を具体的に実習プログラムに反映させる作業が、実習指導者には必要です。そのポイントは以下の通りです。
◎専門職の「価値」「知識」「技術」の基本3要素と、「職場実習」「職種実習」「ソーシャルワーク実習」とを交差させて考え、それぞれの枠で経験させるべき具体的実習内容を記載する。
◎具体的実習内容を経験させるために必要な教材・資料を記載する。
◎教材・資料を使った指導方法とその注意点を明確にする。(【1】読ませる、【2】話す・説明する、【3】示す・やってみせる、【4】させてみる、【5】問う・確認する、【6】振り返る・まとめる、等)
◎上記の組み立てに、実習生の実習計画書や個人的実習目標を当てはめて検証する。
◎スーパービジョン面接の機会を盛り込む。
◎養成校から示されている実習評価表の項目と照らして、不足分を盛り込む。
上記の作業結果は、実習指導プログラムもしくは実習日程表としてかたちになります。これを実習生と共有することで、両者が実習展開の予測を立てられ、実習生の不安軽減にもなり、かつ事前準備にも役立ちます。
(出典:社団法人日本社会福祉士会=編集『社会福祉士実習指導者テキスト』中央法規出版、2008年)