ケアマネジャーと医師との連携(3) 困難事例を作りださないために
2010年11月25日 09:40
【Q】
ケアマネジャーの視点や態度が「困難事例」を作り出すこともあると言われます。どのようなことに注意すれば、“困難”にすることを防げるのでしょうか?
【A】
病気の予後、リハビリの到達点――。経験を積めば積むほど、ケアマネジャーには利用者の未来が見えてきます。しかし、利用者や家族は自分たちの将来像を明確に描くことはできません。課題を解決するための手立ての知識もケアマネジャーと比べれば少なくて当たり前です。しかし、ケアマネジャー自身がこのような「情報の非対称性」を理解していないと、援助が空回りとなることもあります。たとえば、いろいろと予想できるケアマネジャーは将来は見越した手立てを情報提供しますが、本人・家族がそれに乗るとは限りません。そこでケアマネジャーは、「なかなか理解してくれない家族」と嘆き、伴走者から助言者へ、さらには強引に引っ張る指導者へと変身してしまうこともあります。求められるのは、あくまでも利用者の目線で情報サポートを行う「伴走者としてのケアマネ」です。
出典:月刊『ケアマネジャー』2009年9月号、中央法規出版