ケアマネジャーと医師との連携(1) 困難事例を作りださないために
2010年11月22日 09:00
【Q】
ケアマネジャーの視点や態度が「困難事例」を作り出すこともあると言われます。どのようなことに注意すれば、“困難”にすることを防げるのでしょうか?
【A】
いわゆる“困難事例”とのかかわりは、さまざまな機関や人からの紹介で始まることが普通です。紹介と同時に、必ずといっていいほど何らかの情報がもたらされます。実はこれがくせものなのです。
「少し難しい人です」
「虐待がありそうなんです」
頑固でわがまま、苦情が多い……。こうした“客観”情報のなかには、情報提供者の考え方、価値観などが含まれています。こうした情報によって会う前から、「どうも苦手そうだな」などの利用者像が浮かぶとしたら要注意です。会う前からすでに困難の壁を成長させてしまっているのです。先入観が自分のなかに生まれていないかを確かめましょう。
また、同様に“困難事例”として紹介されることもあります。実は専門職によるこうしたレッテル貼りが真実を見えにくくさせていることも多々あり、こうしたことは支援の方向性を狂わせるおそれを内包しています。
出典:月刊『ケアマネジャー』2009年9月号、中央法規出版