濡れたタオルの加湿効果
2010年11月05日 09:10
【Q】
濡れたタオルを干しておくと、乾燥に効果があるといわれますが、本当ですか?
【A】
濡れたタオルを干すと、乾いていく過程で室内に水蒸気を放出します。しかし、室内の乾燥対策としての加湿効果はあまり期待できません。
施設では長時間の暖房に加え、加湿するものが少ないため、居住室の湿度が30%以下になっていることも珍しくありません。一般住宅と比べて部屋数も多く、部屋の入り口が開放されていることも多いので、室内で水蒸気を発生させても、すぐに拡散してしまいます。
対して一般住宅では、部屋が狭く、出入りも少ないため、湿気が部屋にこもりやすくなります。乾燥していると感じた時は、濡れたタオルや洗濯物を室内に干すとよいでしょう。居室で使用されている暖房器具で多いのが、エアコンや開放型の石油ストーブ、ガスストーブです。エアコンからは湿気が出ないため、部屋は乾燥しがちになります。濡れたタオルを干すことで加湿効果が期待できます。開放型のストーブの場合、水蒸気がストーブから出ていますが、暖房中は乾燥していると感じられることも多く、その場合は濡れたタオルや洗濯物を干すのもよいでしょう。
いずれにしても、濡れた物を多く干し、湿気を出しすぎると、結露の問題が出てくるので注意が必要です。
開放型ストーブでは、ストーブの近くに洗濯物を干すことで、火災の危険もあります。安全をよく確かめて干すようにしましょう。
出典:日本建築学会編『Q&A 高齢者の住まいづくりひと工夫』中央法規出版、2006年