攻撃的な人への動作法
2010年10月15日 09:10
【Q】
援助者に対して攻撃的な高齢利用者がいます。このような人に動作法を実施する場合、どうすればいいでしょうか。
【A】
対人援助においては、すべてを楽しむことです。
被援助者が援助者に対して攻撃的であるということですが、こちらも人間ですので腹が立つこともあると思います。しかし、性悪な人ととらえるのではなく、援助者に攻撃を向けなければならないほど追い込まれている人ととらえてください。
そして、同じ土俵にたって腹を立てるのではなく、次はどのように攻撃してくるかなと相手の攻撃をも楽しみにする一歩離れた余裕をもってください。なるほど今日はこうきたかと感じることができるようになれば、援助者として成長したということができます。
なお、高齢者の場合は、男性の援助者に対しては従順な態度を示し、女性の援助者に対しては指示に従わないような態度を示す人もいます。動作法においては、スーパーバイザーには従順な態度を示し、担当援助者には拒否的な態度を示す人もいます。人をみて態度を変えるということは腹立たしいかもしれませんが、自分にだけそうなのではなく、そういうことは普通にあると思って受け流してください。
(出典:成瀬悟策=監、中島健一=著『痴呆性高齢者の動作法』中央法規出版、2001年)