転倒と法的責任
2010年10月08日 09:20
【Q】
利用者が、職員の気を引くために、利用者が意図的に転倒しそうになります。
【A】
多くの場合、要介護高齢者は足腰が弱っている人が多く、職員の気を引くために意図的に転倒しそうな格好をしたところ、実際に転倒してけがを負うことも十分考えられます。このような利用者については、家族や後見人がいれば事前に説明して説得してもらったり、双方が協議して今後の対処について確認しておくなどの対応をしておく必要があります。
責任が生じるか否かは、このような傾向を有する要介護高齢者については転倒という結果を予見できるため、転倒を避けるための措置を行ったかどうかによって責任の有無が決せられると考えられます。合理的かつ十分な対応策を講じて、それでも転倒を避けることができなかったときには責任は生じないといえるでしょう。
出典:吉岡讓治『職員と利用者を守る 介護現場の法律講座』中央法規出版、2010年