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福祉マイスターへの道 毎日更新

介護と医行為

【Q】
 最近、医行為を医師以外の専門職に担わせようとする動きがみられます。特に介護職については、いろいろな動きがあるようです。

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【A】
 医療の分野では、看護師その他の医療従事者の役割を拡大することを柱とする「チーム医療推進会議」が厚生労働省で開催されています。介護の分野においても、2010年4月、特別養護老人ホームにおいてたんの吸引等の医行為が介護職に認められました。しかしこれは「違法性阻却」といういわば例外的な措置として運用によって認められたもので、介護職の間では不安の声が聞かれました。
 さらに同年5月には、長妻厚生労働大臣(当時)が、現在のような「通知」ではなく、「法律」で介護職の医行為の一部を認めることを検討する考えを表明し、厚生労働省は7月5日、「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」を立ち上げました。
 「こうした運用による対応については、そもそも法律において位置づけるべきではないか、グループホーム・有料老人ホームや障害者施設等においては対応できていないのではないか、在宅でもホームヘルパーの業務として位置づけるべきではないか等の課題が指摘されている。こうしたことから、たんの吸引等が必要な者に対して、必要なケアをより安全に提供するため、介護職員等によるたんの吸引等の実施のための法制度の在り方等について検討を行うこととした。」(検討会の開催案内より)
 介護職のたんの吸引についての実態をみると、従来から積極的に行っている事業者や施設から、消極的な事業者や施設まで、その対応は千差万別です。家族からの強い要請、医行為についての法的知識の乏しさなど原因はさまざまですが、今後は、厚生労働省の動きを注視して、医療安全などの体制を確保しつつ「通知」等を遵守して行う必要があります。

出典:吉岡讓治『職員と利用者を守る 介護現場の法律講座』中央法規出版、2010年


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