嗜癖の種類
2010年08月23日 09:37
【Q】
嗜癖には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか? 教えてください。
【A】
嗜癖の種類は大きく、(1)物質嗜癖、(2)行為(プロセス)嗜癖、(3)対人関係嗜癖の3つに分かれます。物質嗜癖にはその物質の種類によって、アルコール依存症、薬物依存症、摂食障害等があり、行為嗜癖には、ギャンブル依存、買い物(ショッピング)依存、インターネット依存、パソコン依存、仕事依存(ワーカホリック)、ほかにも、いけないとわかっていてもやめられないストーカー行為や覗き癖、盗撮行為等があります。摂食障害も食行動そのものに焦点をあてれば、物質嗜癖のみならず行為嗜癖にも該当します。最後の対人関係嗜癖には、共依存や性(セックス)依存、恋愛依存等があります。ただし、いずれの嗜癖であっても、私たちが客観的に目にできるのは行動レベルの現象であり、すべての嗜癖を嗜癖行動として包括することができます。
ICD-10(International Classification of Diseases 10th edition:国際疾病分類第10版)では、依存症の確定診断にあたっては、通常過去1年間のある期間に、示されている6つの条件のうち3項目以上がともに存在した場合を「依存症候群」と定義しています。依存症や依存症候群といった表現は、嗜癖を医学モデルでとらえたものと理解すればよいでしょう。
出典:松下年子・吉岡幸子・小倉邦子編『事例から学ぶ アディクション・ナーシング―依存症・虐待・摂食障害などがある人への看護ケア』中央法規出版、2009年