地域ケア会議に人が集まらない
【Q】
利用者への対応について、関係機関で検討する必要があると思い、地域ケア会議の開催を呼びかけましたが、皆忙しいので電話で十分と言われ、会議を招集することができません。
【A】
各機関・関係者によって、利用者に対応している側面が異なりますから、問題意識を強く感じる機関とそれほどでもない機関とがでてきてしまうことがあります。このような問題意識の差があると、地域ケア会議の必要性の認識についても差がでてきてしまいます。
地域ケア会議を呼びかける際は、その理由、すなわち利用者の対応についての緊急性や必要性を明確にする必要があります。状況が変化し緊急に対応しなければならなくなったとか、サービス調整をしなければならないといったことです。招集にあたっては、機関の代表者や担当ケアマネジャー、地域包括支援センターから呼びかけてもらうことも考えられます。
それでもどうしても会議を招集できないこともあるでしょう。その場合は、電話での相談や打ち合わせも会議とみなさざるをえません。直接会って話し合う会議とスタイルは異なりますが、担当者が協議し、支援の方向性を検討することとしては同じ目的があるともいえます。
また、定例的に地域ケア会議を開催するという方法もあります。各機関・関係者がその都度時間を合わせて改めて会議を開くことは困難な場合が多いものです。ですから、各機関の協力のもと、定例的な会議を予定しておくとよいかもしれません。関係機関の担当者が毎回顔を合わせることによって、チームとしての方向性や意識が集約され、連携体制が強化されやすいという利点もあります。 ただ、ルーティンな会議になってしまうと形骸化してしまうおそれもありますので、論点や課題意識を明確にして会議を進める必要があるでしょう。
出典:神山裕美・木戸宜子編著『あれ?困った!どうしよう!? 対人援助・生活相談サポートブック』中央法規出版、2008年