通所介護計画作成のポイント
【Q】
できるだけ良い通所介護計画をつくりたいと思っていますが、ポイントを教えてください。基本マニュアルやケアマニュアルをどのように生かせばよいでしょうか。
【A】
一般に通所介護計画は、ケアマネジャーが作成した居宅サービス計画(ケアプラン、もしくはマスタープランと呼ぶ)を基準に作成されます。居宅サービス計画に示されたデイサービスに関係する事項について、「どのように」「何に配慮して」ケアを展開するのかを具体的に示したものが通所介護計画です。通所介護計画の様式については、今のところ国から統一内容が示されているわけではありません。作成方法については、それぞれで創意工夫しているのが現状で、その一つとして基本マニュアルとケアマニュアルを使った方法があります。
基本マニュアルとケアマニュアルは、サービス提供におけるさまざまな段階で活用できますが、ここではアセスメント時について簡単にお話しします。まず、デイサービス利用前の利用者の自宅訪問の際、基本マニュアルやケアマニュアルを使って、デイサービスでのケア内容の理解と利用の同意を求めます。その後、利用者や家族のニーズをより具体的に把握するために、ケアマニュアルの手順内容を使って提供するサービスについて詳しく説明し、アセスメントを行っていきます。
例えば、居宅サービス計画に「一人で自宅では入浴できず、デイでの入浴が必要」と記入されていたならば、入浴介助マニュアルを提示して、どのような目的でどのようなケアを行うのかを説明します。そして、マニュアルの手順に基づきながら、ご自分でできること、できないこと、してほしいこと、現在はどのような状態で入浴されているのか、衣服の着脱の状態など、一連の動作について確認をしていきます。
この過程で、ケアマニュアルに書かれていない個別のニーズが出てきたり、ケアマニュアルの内容が必ずしも本人にとって適切なケア内容とならないこともありますので、その場合の個別対応について通所介護計画に盛り込んでいきます。ケアマニュアルでは湯温40~42度とされていても、利用者がぬるめのお湯を好む場合などが該当します。
このとき、ケアマネジャーが事前にアセスメントした利用者の心身状態に加え、デイサービスを実施するという視点から、より詳しく心身状態について確認しておかなければなりません。そのためにもケアマニュアルの内容説明をとおして、細かくアセスメントすることが大切です。
(出典:長崎県老人福祉施設協議会デイサービス部会監修、白澤政和編集『通所介護計画のつくり方 利用者への質の高いサービス提供のために』中央法規出版、2006年)