業務の範囲
2010年07月07日 10:00
【Q】
ケアマネジャーの仕事で悩むことが多いのが「業務の範囲」です。どこからどこまでを仕事と捉えればいいのでしょうか?
【A】
業務範囲は以前からの課題ですが、ケアマネジメントの確立がいまだなされていないことに起因しているといえます。主に家族とのかかわりで、“範囲”について悩むことが多いようです。
ケースによってかかわりの深浅の違いは、実際の現場において多く見受けられることですが、ケアマネジャーがもつ機能には、「家族間の調整」という機能があることを理解すれば、ある程度の深いかかわりが可能になるでしょう。ただし、家族間の調整は大変な役割です。ケアマネジャーも多くのストレスを抱えることになります。また、過剰なストレスはモチベーションを低くすることもあります。ケアマネジャーのモチベーションを維持していくには、ケアマネジャーが自身が働く環境を整えることも重要なのです。
回答の難しい問題ですが、もしかするとこの課題は、ケアマネジャーがケアマネジメントの機能の一つひとつを理解し、個々の対象者にどの機能を活用すべきかを判断するための能力を身につけることと、ケアマネジャーのモチベーションを高める業務環境の双方が確立されなければ、解決が難しい課題かもしれません。
出典:能本 守康著『改訂 初めて学ぶケアマネジメントテキスト』中央法規出版、2009年