肥満の子ども
【Q】
児童館の職員です。5歳の女の子で太りすぎが気になる子がいます。用意したお菓子もとにかくよく食べるのですが、食べさせないようにするのもかわいそうです。親御さんにどのように注意を促せばいいでしょうか。
【A】
子どもの肥満については、今までどのような太り方をしてきたのかを調べることが必要です。母子手帳などにある身長体重曲線が基準線に対して急速に上向きになっているようでしたら要注意です。このタイプの肥満は健康障害につながるので悪性肥満と呼ばれることもあり、親御さんには一度専門の小児科を受診することをすすめてください。
そうかと言って、子どもには体重を落とすための厳しい食事制限や激しい運動は必要ありません。食べたい食事を我慢させることは、逆に劣等感を感じさせコンプレックスにつながります。罰ゲームのようになってはいけないのです。
生活習慣の乱れから太りすぎの傾向がある場合には、まずは生活を見直して改めてもらいましょう。夜食が多くなりがちな夜型の生活リズムになっているようなら朝型に整え、食事内容も偏りがないか振り返ります。体重が増加するときは何か原因があるものです。幼児の場合は間食の取り方が影響しやすいので、糖分や油分が多すぎるものは避けましょう。何よりも、大人が食事とおやつの内容を適切に考えて低カロリーの食品でボリュームのあるものを用意してあげるべきです。肉類だけでなく魚、野菜、大豆製品もバランスよく使い、子どもが好む工夫をするとよいでしょう。
そして、身体を動かすことが必要ですから、外遊びを中心にしてお友達と楽しい遊び体験ができるようにしてほしいと思います。
出典:巷野悟郎監修、こどもの城小児保健部編『知りたい! 子どものからだと心 身近なQ&A』中央法規出版、2001年