子どもの夜更かし
【Q】
児童館の職員をしています。3歳のお子さんのお母さんから、夜更かしについて相談を受けました。夜11時を過ぎても元気に遊んでいてなかなか寝てくれないとのこと。朝は9時ぐらいまで起きず、午前中はボーっとしていることが多いそうです。
【A】
人間は、夜に寝て昼に活動するように身体の働きが調節されています。これは、24時間のリズム(サーカディアンリズム)で調節され、健康を保つようにできています。
子どもの場合、一般的には夜7~8時の就寝、朝6~7時の起床が身体の生理に合った睡眠といえますが、近頃は本来の身体リズムと生活がずれてしまっている子どもが多いようです。夜は12時~1時まで起きていて朝9時~10時頃まで寝ていると、身体は寝ている状態なのに脳は起きている、身体は起きている状態なのに脳は寝ているということが起こってきます。その結果、寝起きが悪い、食欲がない、活動的な遊びができないなどという行動につながっていくのです。特に3歳ぐらいまでは、生理に合った生活をし、身体にリズムを教え込むことが大切です。これからいろいろなことを体験し吸収していく時期に、眠くてボーっとしていては発達にも影響してきます。
早寝ができない原因は何でしょうか。まず、夜にいつまでもテレビを見せていたり、部屋の中が明るいということはすぐにやめましょう。そして、昼間は運動をしっかりして活動的に過ごすことです。また、昼寝の時間によっては、夜の就寝が遅くなります。4、5歳頃には昼寝をする必要はなくなりますので、普段の生活の中で無理に昼寝を取らせるのではなく、子どもが眠くなったときにそのまま寝かせればよいでしょう。昼寝は短くして、夜は早く長く寝かせるようにしましょう。
これらのことを踏まえ、乱れてしまった生活リズムをまず整える方法としては、朝いつもより1時間ほど早く起こしてみることです。これを1週間ぐらい続けると、夜早く寝るようになることが多いのです。そして親自身が子どもの生活リズムに合わせて、早寝早起きを心がける努力も必要でしょう。
出典:巷野悟郎監修、こどもの城小児保健部編『知りたい! 子どものからだと心 身近なQ&A』中央法規出版、2001年