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福祉マイスターへの道 毎日更新

集中できず座っていられない子ども

【Q】
 小学校1年の教員をしています。授業中に椅子に座っていられず、ひっきりなしに動き回る男の子がいます。注意をしてもたえず手足を動かし貧乏ゆすりをしており、家でも同じような様子だそうです。

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【A】
 男の子の状態は「多動」といわれるものです。原因には大まかに3つあります。
 一つ目は、知的障害や自閉症のような発達障害がある場合。このような子どもには、できるだけ簡潔に、事態をわかるようにくり返して説明し、その状況に慣れさせることです。
 二つ目は、情緒的な不安が多動を引き起こしている場合。特に家庭環境の調整が必要です。
 三つ目は、最も可能性が高い、ADHD(注意欠陥多動性障害)といわれる発達障害の場合です。ADHDは行動を抑制する神経の発達の遅れで、知的能力との関係はありません。育児やしつけの問題ともされがちですが、それとの関係もありません。
 ADHDは多動性のほかに、不注意(忘れ物が多い、今聞いたことを全く覚えていない、など)、衝動性(けんか、授業中のおしゃべり、など)の問題があり、問題児としてみなされがちで、学業不振なども加わり、心理的に自己評価が低下することが多くなります。
 対応の基本は、短時間でこなせる小さな目標を立てて、叱らずに、こまめに褒めることです。また、できるだけ子どもの社会のルールを学ばせることが大切ですので、学校のスポーツチームに所属させるなどはとても有効な手段でしょう。
 典型的なADHDのようであれば、ぜひ専門家を受診をすすめてください。


出典:巻野悟郎監修、こどもの城小児保健部編集 『知りたい! 子どものからだと心 身近なQ&A』中央法規出版、2001年

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