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機能不全家族の特徴

【Q】
 機能不全家族の特徴には、どのようなものがあるのでしょうか? 具体的に教えてください。

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【A】
 機能不全家族の特徴を具体的にまとめると、以下のようなものがあげられます。

(1)親がとても強固なルールを強いている。例えば、門限を6時にして10分でも遅れると怒るとか、暴力をふるうという厳しいルールがある。これ以外にも、ある母親は子どもに「あなたは外で遊んではいけない」というルールを強いて、友だちとは遊ばせなかった親もいる。
(2)家族以外の他人を家に寄せつけないようにして交流や情報を遮断する。このような家族は、外界との情報交流を遮断しているので、“家族境界が固い”家族という。依存や虐待の問題があると、家族のなかで起こっていることを秘密にして、外部に相談しようとしないことはよくあるし、他者が来訪することなどは喜ばない。
(3)子どもの人権が制限され自由でなく、親の所有物として扱われたり、自分の意思が無視されることが多い。子どもを独立した人格をもつ人間として尊重して対峙していくのではなく、自分の子どもだからどうしようと親の勝手だという認識で、親の意のままに支配して育てる。
(4)思春期になって自立したい気持ちがあっても、家族の元から去ることが許されない、または家族が変化することへの強い抵抗感を示す。
(5)世代間や他者との間に境界線(バウンダリー)がない。家族内にプライバシーがないというのも特徴である。自分と子ども、自分と親、自分とパートナー、自分と他人の境界線が非常にあいまいで、親のこと、子どものこと、他人のことを異常に心配するとか、世話をする、後始末をする、過干渉や保護的なかかわりをして、子どもや他者の精神的な内面まで容赦なく侵入する親もいる。
(6)家族間の葛藤があっても、たいがい無視され否認されてしまう。ある夜、父親のひどい暴力や母親とのいさかいがあったとしても、翌朝は何事もなかったかのように振る舞い、子どもには何の説明もしない。子どもは、自分が昨夜怖かったことも打ち明けることができず、こういうことは「何も見なかった、聞いてはいけないこと、感じてはいけないこと」として育っていく。アダルトチルドレンは、「見ない」「聞かない」「信じない」という家族病理の病に侵されていく。
(7)家族内に秘密が共有されていくのも、機能不全に陥った家族にはよくある。家族のなかで「語ってはいけないこと」というのがある場合は、“家族神話がある”という。例えば、家族神話の例としては、性的虐待、DV、アルコール問題など、その家族が誰にも語らず、秘密にしていることを連綿と受け継いでいる。

出典:徳永 雅子著『子ども虐待の予防とネットワーク―親子の支援と対応の手引き』中央法規出版、2007年


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