非言語的コミュニケーションとは
2010年04月14日 10:00
【Q】
利用者との面接では、言葉以外の「コミュニケーション」も大切といわれました。言葉によらないコミュニケーションとは、なにを指しているのでしょうか。
【A】
ケアマネジャー(相談援助職)の多くのコミュニケーションは言語によって展開されるものです。それを補い、より有効にする働きをもつのが、「非言語的コミュニケーション」です。「非言語」とはつまり、言葉によらない「表情・身振り・アイコンタクト・スキンシップ」などをいいます。そして、非言語でのコミュニケーションから得られる情報の割合は、実は言語コミュニケーションよりも多いといわれているのです。
言語は明確である一方、非常に強い影響力をもちます。ですから、言語だけでコミュニケーションをとることは、危険を伴います。対象者には、言葉にできない感情があります。それは、抽象的であり、優柔不断であり、繊細でもあります。さらには、援助者も時に非言語で合図を送ります。対象者から発せられた言語・非言語のメッセージに対し、言葉では強すぎる場合、非言語(うなづきや瞬きなど)で「分かりました、大丈夫」といった合図を送るのです。
このように、援助者はさまざまなコミュニケーション技法を使い分けることで、対象者との信頼関係を形成し、お互いに力を高めていき、「望む暮らし」に向けて進んでいくのです。
出典:能本 守康著『改訂 初めて学ぶケアマネジメントテキスト』中央法規出版、2009年