児童虐待の通告
【Q】
児童虐待を発見したときなどは、通告などをしなくてはいけないのでしょうか? また、通告しなければいけないのであれば、どこにすればいいのでしょうか?
【A】
児童福祉法と児童虐待防止法には、虐待を受けた子どもを発見したときの通告義務が規定されています。1947(昭和22)年制定された児童福祉法によって、児童相談所は子どもと家庭の相談援助を展開してきましたが、家庭や地域が能動的に機能しなくなった今日においては、身近な市町村に機能強化が求められるようになっています。
法律上では、以下のように規定されており、通告は、市町村、都道府県の設置する福祉事務所もしくは児童相談所または児童委員を介して市町村、都道府県を設置する福祉事務所もしくは児童相談所にすることになります。
児童福祉法〔要保護児童発見者の通告義務〕第25条
要保護児童を発見した者は、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。ただし、罪を犯した満14歳以上の児童については、この限りでない。この場合においては、これを家庭裁判所に通告しなければならない。
児童虐待防止法(児童虐待に係る通告)第6条
児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。 2 前項の規定による通告は、児童福祉法 (昭和22年法律第164)第25条の規定による通告とみなして、同法の規定を適用する。 3 刑法(明治40年法律第45号)の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、第一項の規定による通告をする義務の遵守を妨げるものと解釈してはならない。
出典:徳永雅子著『子ども虐待の予防とネットワーク―親子の支援と対応の手引き』中央法規出版、2007年