主任児童委員の役割は児童委員とどう違う?どう連携できる?
【Q】
主任児童委員は、児童委員と役割が違うのでしょうか?また、違うとしたら、どのように連携することができるのでしょうか?
【A】
主任児童委員は、制度上、児童の福祉に関わる機関と児童委員との連絡調整を行うことや、児童委員の活動に対する援助及び協力を行うことを主な職務とし、各民生委員協議会単位に複数が配置されています。
この規定の趣旨を踏まえると、主任児童委員は児童やその保護者などに対する接的な支援を行うというよりは、地域担当の児童委員の訪問に同行したり、情報や問題内容の整理を手伝ったり、関係機関への連絡などの職務を援助するというような、地域担当の児童委員の「後方支援」的な役割をもっていることがわかります。
しかし同時に、児童福祉法のなかには、主任児童委員が児童委員と同じ職務を行うことを妨げない、という趣旨の規定もあります。つまり、状況によっては主任児童委員も「後方支援」だけでなく、地域担当の児童委員と同様に個別の児童の問題にかかわることも考えられるわけです。
以上のことから、改めて児童委員と主任児童委員の関係を整理してみましょう。
まず、個別の問題の状況把握や相談支援にあたるのは、原則として地域担当の児童委員であり、その場合に主任児童委員は側面からその職務の円滑な遂行を援助します。
次に、たとえば、地域担当の児童委員が実際上対応できない、当該児童や保護者との関係がうまく結べないといった場合には、主任児童委員が個別の問題を直接担当することが考えられます。ただし、その場合には、必ず当該地域担当の児童委員や民生委員協議会の会長などと十分協議し、連携して対応する必要があります。
さらには、情報交換会、学習会、啓発活動などを行う際には、主任児童委員が率先して役割を果たすことが期待されます。
このように、原則として主任児童委員は個別児童の問題を担当しませんが、その役割が少ないわけではなく、地域担当の民生委員を援助しながら、深刻化している児童福祉問題に積極的に取り組むことが期待されているのです。
出典:小林雅彦・原田正樹著 『民生委員のための地域福祉活動Q&A』中央法規出版、2006年