民生委員はボランティアとは違うの?
【Q】
これまで、地域でボランティア活動をしてきました。今回はじめて民生委員になりましたが、ボランティアとは何が違うのですか?
【A】
ボランティアは自発的に誰でも自分の好きな分野で活動できることが大きな特徴ですが、民生委員は誰でも自由にできるものではありません。
民生委員は「民生委員法」という法律にもとづいて配置されています。この法律では、民生委員の任務や職務、委嘱方法などが規定されています。
民生委員として委嘱されるまでの手続きとしては、まず市町村に設置された「民生委員推薦会」が民生委員としてふさわしい方を都道府県知事に推薦します。
次に都道府県知事は地方社会福祉審議会の意見を聴いたうえで、その方を民生委員として厚生労働大臣に推薦します。そのうえで厚生労働大臣が民生委員を委嘱します。
民生委員の任期である3年ごとにすべての地域でこの手続きが行なわれ、民生委員が委嘱されます。つまり、地域の関係者から推薦を受け、大臣から任務を託され、重要な役割を担うわけです。
民生委員の任務は「社会奉仕の精神をもつて、常に住民の立場に立つて相談に応じ、及び必要な援助を行い、もつて社会福祉の増進に努めるものとする」とされています(第1条)。
また、民生委員の職務は、第14条で次のとおり定められています。
1.住民の生活状態を必要に応じ適切に把握しておくこと。
2.援助を必要とする者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように生活に関する相談に応じ、助言その他の援助を行うこと。
3.援助を必要とする者が福祉サービスを適切に利用するために必要な情報の提供その他の援助を行うこと。
4.社会福祉を目的とする事業を経営する者又は社会福祉に関する活動を行う者と密接に連携し、その事業又は活動を支援すること。
5.社会福祉法に定める福祉に関する事務所(以下「福祉事務所」という。)その他の関係行政機関の業務に協力すること。
出典:小林雅彦・原田正樹著 『民生委員のための地域福祉活動Q&A』中央法規出版、2006年