ケアマネジメントにおける代弁機能とは
2010年03月17日 09:00
【Q】
利用者の代弁がケアマネジャーの役割としていわれることがありますが、代弁とはどのようなことなのでしょうか?
【A】
「弁護・代弁・擁護」を意味するアドボカシーという言葉があります。これは本来、ソーシャルワークにおいて古くから用いられている技法です。そしてケアマネジメントにソーシャルワーク技法が取り入れられ、アドボカシーもケアマネジメントの機能として位置づけられたのです。ケアマネジメントで用いられるアドボカシーは、多くが「代弁機能」として用いられます。
障害や疾病などで自分の意見が主張できなくなった場合、人間としての権利が認められず、非常に不利益をこうむる恐れがあります。そのような時に、第三者が代わってその人の権利や意見を「代弁」することで、その人の立場を守ることができるのです。その行為がアドボカシーであり、それを行う人をアドボケイトといいます。ケアマネジャーは時にアドボケイトでもあるのです。
現在、アドボカシーも単なる「代弁」という機能から、誰もがもっている「権利」を保持・行使するための、「権利擁護」という役割として位置づけられるようになってきました。次回は、アドボカシーの機能を、その果たす役割ごとに分けて見ていきます。
出典:能本 守康著 『改訂 初めて学ぶケアマネジメントテキスト』 中央法規出版、2009年