子どもへのネグレクトとは?
2010年03月10日 09:00
【Q】
子どもへの虐待としてネグレクトがありますが、具体的な加害行為としてあげられるものを教えてください。
【A】
ネグレクトは、養育の放棄・放置・怠慢ともいわれますが、子どもの健康、安全に育てることへの配慮を怠り、子どもの健康状態などを危険にさらす行為をさします。
例えば、食事を適切に与えない、お仕置きで食事を抜く、1日1食しか与えない、ミルクをわざと薄めて与える、下着や衣服などを長期間ひどく不清潔なままにしている、オムツが汚れたまま、季節や天候に適した衣服を着せていない、いつも同じ服で着替えをさせない、風呂にも入れないで体が臭うなど、健康を損なうほどの無関心や怠慢があげられます。子どもを極端に不潔な環境で生活させているのです。ネグレクトをする親には、子どもの情緒的な要求に応えない、話しかけない、無視する、抱っこを求めても拒否するなどの特徴がみられます。
乳幼児を危険な環境に置くことや閉じ込めておくこと、家に置いたままでのたびたびの外出、車の中に放置している、子どもの意思に反して登校させない、病気になっても医者に連れて行かない、医師の指示に従わない、必要な医療や療育を受けさせない、健診や予防接種をまったく拒否することなども含まれます。また、子どもを遺棄すること、例えば、コインロッカー、デパートのトイレ、病院、公園などに新生児や乳児を遺棄することもネグレクトになります。
出典:徳永 雅子著 『子ども虐待の予防とネットワーク―親子の支援と対応の手引き』 中央法規出版、2007年