スクールソーシャルワーカーと学校教員
2010年03月03日 09:00
【Q】
ある学校のスクールソーシャルワーカーをしていますが、一部の教員からあまり良く思われていないようです。前向きな関係を築くポイントは何でしょうか。
【A】
スクールソーシャルワーカーにとって、働く場としての「学校」については常に意識しておく必要があります。外から見るとスクールソーシャルワーカーの具体的な仕事はわかりづらく、スクールカウンセラーとの仕事の区別もつきにくいということもあって、理解するのが難しいという側面もあるのも事実です。なかには、いまだにスクールソーシャルワーカーを「異分子」的に見る教員もいます。そのため、スクールソーシャルワーカー自身が、自分はどのような活動しどのような役割を担っているのか、関係者に正しく理解してもらい「味方」を増やす必要があります。
スクールソーシャルワーカーは校長の指導・監督の下で業務をしますので、まずは校長にスクールソーシャルワーカーの専門性や役割を十分理解してもらい、それを全教員間で共有してもらいます。そのうえで、スクールソーシャルワークを定着させるための働きかけとして、具体的には以下が考えられます。
○スクールソーシャルワーカーと教員のパイプ役となる担当者を位置づけてもらう
○校内の生徒指導にかかわる会議に出席させてもらう
…生徒指導や不登校対策の校内会議に出席して情報収集し、支援体制をつくる。
○定期的にケース会議を行う
…配慮が必要な子どもへのアセスメントや支援のための会議を、定期的に開催するよう働きかける。
○相談しやすい雰囲気づくりに努める
…教員とコミュニケーションを取りやすいよう職員室に机を置かせてもらう。保護者にもスクールソーシャルワーカーの存在を周知してもらう。
参考:日本学校ソーシャルワーク学会=編集 『スクールソーシャルワーカー養成テキスト』 中央法規出版、2008年 / 福岡県教育委員会 「スクールソーシャルワーカーの活用についてQ&A」 平成20年3月