LDやADHDの原因は何ですか?
2010年02月04日 09:00
【Q】
LDやADHDの原因についてあれこれ考えてしまうという親が多くいます。何が原因でLDやADHDになるのですか?
【A】
LDやADHDの原因ははっきりとはわかっていません。ただ、発生の背景には3つの要因が挙げられます。(1)胎児期から出産時、あるいは乳幼児期における東部の外傷やてんかん、あるいは放射線治療などの影響による何らかの脳の機能障害の結果、(2)代謝障害やホルモンの分泌障害による脳の発達への影響、あるいは極低出生体重児などにおける未熟な脳の生育の結果によるもの、(3)家族集積性、すなわち家族的な素因によるものです。
原因についてあれこれ推測しても根本的な解決にいたることはまずありません。的外れな罪悪感や責任感から、好ましくない心理的な葛藤や不安につきまとわれることもあります。
人間の高度な知能をつかさどる脳の発達には、さまざまな状態や障害が待ち受けているという基本的理解が大切です。完全さを追い求めるよりは、その状態や特性をその人なりにどのように理解し、受け止め、付き合い、活かすかが重要なのです。
※出生体重が2,500g未満の赤ちゃんを低出生体重児と呼び、なかでも、1,500g未満の赤ちゃんを極低出生体重児、1,000g未満の赤ちゃんを超低出生体重児と呼びます。
出典:山口薫 編著 『Q&Aと事例で読む親と教師のためのLD相談室』 中央法規出版、2003年