多職種による支援体制─セルフサポートシステム
2010年02月16日 09:00
【Q】
支援はチームで行うといわれますが、どのような形が理想的なのでしょうか?
【A】
支援をするのは、ケアマネジャーであり、訪問介護員であり、訪問看護師であり、医師であり、理学療法士であり、家族であり、友人知人であり……。さまざまな人のかかわりによって、その人の自立が成し遂げられるのです。そのようなさまざまな職種や人々の支援体制を「セルフサポートシステム」と呼んでいます。
ここで重要なことは、支援を行ううえでの視点です。あくまでも自立支援(2月16日の回参照)であることです。基本的にはセルフサポート(自己支援)ですので、「本人が自らを自助」していくことが中心となります。余計な手出しは禁物なのです。そのことをかかわる人たちが共通認識としてもっていなければ、その集団は、「セルフサポートシステム」にはなりません。
ですから、ケアマネジャーを中心に専門職や家族・友人など、かかわる人すべてに本人の意思に基づく支援の方向性を明確に示す必要があります。もちろん、本人にその必要性が理解され、目標に向けての意欲がなければなりません。よって、セルフサポートシステムは、本人にその意欲をもたせる支援から始めなければならないのです。
セルフサポートシステムとは、単に専門職が中心にかかわる体制をいうのではなく、「本人が潜在的にもち合わせている『力』を回復させるべく支援を行える集団」という高いレベルでの体制を意味します。そして、その中心的な役割を担うのがケアマネジャーです。すなわち、「セルフサポートシステムの構築」は、ケアマネジメントを行ううえでの一つの目的にもなるのです。
出典:能本 守康 著 『改訂 初めて学ぶケアマネジメントテキスト』 中央法規出版、2009年