サービス担当者会議を実効性のある場とするには 5
【Q】
サービス担当者会議が苦手です。どうすれば意味のある場とすることができるのでしょうか?
【A】
進め方は前回の説明のとおりですが、具体的な検討内容は次のようなものです。
・総合的な援助の方針の確認
総合的な援助の方針は、介護サービスの方向性や質を決定します。利用者や家族の意向・意見、主治医意見書などを参考にしながら、専門家としての意見をすりあわせて決定していきます。利用者と家族の間で意見が異なるとき、選択に迷いがあるときは複数案を提示し、双方のメリット・デメリットを説明し、最終的な判断をします。
・生活課題とその根拠の確認
総合的な援助の方針を視野に入れながら、生活課題とその根拠を確認します。専門家は受けてきた教育によって生活課題の捉え方が異なり、しばしば利用者や家族のニーズとずれている場合があります。他の専門家による異なる判断基準、見立てなどを目の当たりにすることで、新たな発想を発見したり、偏った考え方を修正するようになります。
・長期目標・短期目標および期間の確認
総合的な援助の方針に基づき、それぞれを設定します。関連性や整合性が保たれているか否かを確認します。目標は具体的でかつ達成可能なものであり、期間がきちんと明記されていることが重要です。期間を設定することで、定期的なモニタリングが可能になり、評価しやすくなります。
・サービス内容と役割分担
サービス内容と割り当てられた役割は妥当なものか、各サービス事業者の対応は可能か、提供回数・提供日・時間・金額は妥当か否かを検討する。
・残された課題の確認
決められた時間内で検討できなかったこと、再度検討が必要なことなど、残された課題を整理し、次回会議の開催の予定を立てます。最後に参加者の労をねぎらいましょう。
出典:篠田道子 著『改訂 質の高いケアマネジメント』中央法規出版、2008年