認知症の人へのレクリエーションとは?
2009年11月24日 09:00
【Q】
認知症の人は、レクリエーションに参加してもらおうと考えても、なかなか参加目的を理解してもらうことが難しく、悩んでいます。
【A】
目的をはっきりさせよう
認知症の中心となる症状は、記銘力・注意分割力・計画力の低下です。認知症の方に対するレクリエーションでは、
(1)機能低下を予防・改善することを目的とする
(2)機能低下がすすんでいることを前提とする
という2つの視点のどちらで提供するかによって、内容が変わります。
(1)の場合は、これらの機能を刺激するプログラムとなり、(2)の場合は、これらの機能に過負荷とならないプログラムとなります。両者とも「ルールを簡単にする」「工程を分担して行う」「一度にたくさんのことを同時に行わない」などが基本となります。その利用者が昔行っていた生活行動などの手続き記憶、いわゆる「身体で覚えたこと」は保持されることが多いので、こうした活動を活用するのもよいでしょう。
調理などは、昔ながらの活動で注意分割機能や計画力が必要とされる活動です。すべての工程をこなすことが難しければ、切る、混ぜる、あえるなど、工程の一部分を担当してもらいます。集団プログラムなどでも、何をどうすればいいのかが明確なルールとなるようにします。投げる・打つなどは比較的理解しやすい行為です。
出典:妹尾弘幸 著『一人ひとりが輝く レクリエーション・プログラム』中央法規出版、2007年