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福祉マイスターへの道 毎日更新

スムーズな退院支援を実現するには

【Q】
 医療の知識に自信がないため、退院支援に不安があります。ケアマネジャーとして、どのようなところに気をつければいいのでしょうか?

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【A】
 退院前後は患者・家族の不安が最も高まる時期であり、丁寧な対応が必要とされます。主な心配事は、(1)退院後の病状不安、(2)退院後の医療へのアクセス(悪化した場合の入院先の確保、通院が大変など)、(3)医療処置、(4)介護保険や在宅サービスの手続き、(5)介護負担、(6)住宅環境などが挙げられます。
 このような不安や心配事を退院時にすべて解消するのは、短い在院日数では限界があります。病院側の退院支援者と介護支援専門員、在宅サービス事業者が連携をとって、サービス担当者会議や自宅訪問を行い、スムーズに在宅生活へ軟着陸できるように対応する必要があるでしょう。
 病院では、病状を回復させるための問題指向型アプローチ(医学モデル)が行われます。しかし、高齢者などは病状が回復しないまま、あるいは障害を残したまま退院することも珍しくありません。このような事例を医学モデルで対応することは困難となります。
 在宅では患者は生活者となり、病気や障害を抱えながらも生活をしなければなりません。在宅では問題点を改善するというよりは、患者の残存機能や潜在機能に働きかけてQOLの向上を目指す、すなわち生活モデル(個人の身体・心理状況と環境状況の関係性で問題をとらえ解決を図る方法)への転換を目指したケアマネジメントが求められます。
 医学モデルから生活モデルへの転換を円滑に行うには、アセスメント情報の共有化が前提となります。また、身体、生活機能、精神・心理、社会・環境面をあわせた包括的なアセスメントが必要です。退院支援におけるアセスメントは、個々の専門職が行うものではありません。チームで行うものです。そのためには、チームメンバーが共有化できる包括的なアセスメントツールが求められるでしょう。


出典:篠田道子 著『改訂 質の高いケアマネジメント』中央法規出版、2008年

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