ピアカウンセラーの基本姿勢
2009年11月11日 09:00
【Q】
ピアカウンセラーとして活動する上で、心がけること、大切なことはどのようなものでしょうか?
【A】
ピアカウンセラーとして、ガイドライン・基本原則を守ることは大切ですが、何よりもその基本姿勢として、「人は誰でも生活や人生において自分で選択し決定する権利があり、他人の権利を侵害しない限りにおいて、自分の感情や考えを表明する自己主張の権利」があることを徹底して守ることが必要です。
自分の感情や考えが症状として判断されるのではなく、自由に表現し傾聴されることは安心感と癒しを得ることになります。この判断からの自由こそが、精神に障害をもつ人々が共通に経験してきた、自己否定からの解放を促します。
こうした希望に呼応して傾聴することは、どのような考えや感情であっても、良い悪いという評価や、すべきといった判断や指示を禁じ、自己主張した結果のリスクを負う自己責任があることを認識することにもなります。ピアカウンセリングは、誰もが自分の意見や感情をもつ権利を認め、相手の言いなりになったり、逆に相手を打ち負かそうと攻撃的になったりする自己主張は孤立のリスクを負うものであることを、共通の経験をもつ仲間の傾聴の支援を得て学んでいく機会になるのです。
出典:『精神障害者の相互支援システムの展開』中央法規出版、2008年